今年の夏の気候、COP21に向けて
今夏の関東地区における気候は、6月中旬の梅雨入り以降、曇り雨が多く、日照時間も少なく、例年に比べ涼しかった。が、7月中旬の梅雨明け以降は、急激に気温が上がり、猛暑日が8月初旬まで続いた。8月中旬以降は、一転、曇りが多く日照時間も少なかったので、例年に比べ涼しい日が続き、秋の訪れが早かったように感じた。
8月中旬以降は、大気の状態が不安定で、大陸からの高気圧(寒気)と南からの低気圧(暖かい)がぶつかり、局地的な雷・豪雨の注意報が連日出されていた。
九州南部では、6月以降梅雨が長引き、6月の月間降雨量は例年比、227%と1946年以降最多を記録し、日照時間もかなり短かった。一方、沖縄・奄美地方では、太平洋高気圧と南の暖かい空気の流れ込みがあいまって、平均気温が例年比+1.8℃と1946年以降の最高を記録した。
気象庁発表『6月~8月の天候』は、以下の通り、
http://www.jma.go.jp/jma/press/1509/01c/tenko150608.html
9月に入っても曇り雨の日が多く、涼しい日が続きました。が、TVで鬼怒川堤防決壊の様子が放映され、記憶に新しいと思います。9 日、台風第 18 号が東海地方に 上陸し、東日本太平洋側を中心に広い範囲で大雨となり、さらに、日本の東海上を台風第17 号が北上した影響も加わって、関東地方から東北地方では南から湿った空気が長時間にわたっ て流れ込んだため線状降水帯*という現象が起き、11 日にかけて記録的な豪雨となり、河川が氾濫、鬼怒川の堤防が7カ所決壊するなど大きな被害が生じた(平 成 27 年 9月関東・東北豪雨)。東日本太平洋側では9月上旬の降水量が平年比 418%となり、1961年以降最多を記録した。また、東日本日本海側の9月上旬間日照 時間は平年の 36%で、1961年以降の最少記録となった。
*線状降水帯: http://matome.naver.jp/odai/2144189014166481201
気象庁発表『9月の天候』をご参考ください。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1510/01a/tenko1509.html
このような局地的な天候は、昨年2月の関東・甲信越地方の大雪や8月の広島で大規模な土砂崩れを起こした「平成 26 年 8 月豪雨」などは記憶に新しいところ、また各地で暴風(竜巻)などが発生しており、これまであまり経験がなかった何十年・何百年に一度、という極端な天候が身近で発生、続いています。少し場所がずれれば、我が身にもいつ振りかかっても、おかしくありません。天気予報に注意し、警報などが出る場合は、迅速に対応するなど日頃の備え、心構えが肝要だと思います。全てが温暖化の影響だとは言えませんが、これまで科学者たちが警告してきた気象状況の変化は世界各地で発生しており、その頻度は多くなっています。今後もこのような災害が発生するリスクは高いと思われます。
このようなリスクを低減するため温暖化防止対策として、温室効果ガスを抑制する省エネ・節電などを、特に震災以降進められ、省エネ対策自動車・電化製品などの普及も進み、震災後3年を経た2014年度の日本での電力需要は十数%減少していることは、皆様の努力の成果と言えると思います。
今年12月にパリで催されるCOP21に向けた各国の温室効果ガス削減目標数値が順次発表されています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151002-00000014-jij_afp-env
温室効果ガス排出量が多い中国・アメリカ・インドも参画し、我々が生存できる「地球全体の気温上昇幅を産業革命以前の水準から2℃未満に抑えるという目標」、地球環境保全への道筋に大きく前進することを期待します。日本ももう一歩前進に向け、「さらなる努力」が望まれています。
天災に対しては、最新情報や兆候に注意して対策をくじる事が肝要です。しかし、人災は、それに気づいたら、避ける努力をするべきだと思う次第です。