温室効果ガス25%削減再検証へ (2011年11月23日朝日新聞朝刊)
野田政権は、国際公約している温暖化効果ガスの「25%削減」目標を達成できるか、再検証する方針を固めた。来年春に目標や達成の道筋について複数の選択肢を示し、国民的議論を求める。東京電力福島第一原発の事故を受け、達成前提だった原発増設が難しくなっており、目標自体を見直す可能性もある。
以上、朝日新聞の記事ですが、温暖化ガス削減は、政府任せにしておいてよいのでしょうか。いま、我々が持続可能な循環型社会を築かないと、子供たちの将来はどうなるのでしょうか。今年は、東日本大震災を契機とした原発事故が発生し、計画停電も経験しました。夏季には、節電要請に応え電力供給機器を乗り越えました。皆様のご理解、ご協力を頂き、全国で前年比7.9%削減できました。環境省によると原発15基で温暖化ガス25%削減の内8%を見込んでいたとのことですから、それに匹敵します。
地球の温暖化は、産業革命以来の化石燃料を使用する機器、エネルギー供給体制、そして20世紀に著しい技術革新が行われ、その進化は、今や宇宙への進出、宇宙の生い立ち、成長、そして未来をも予測する時代となりました。厳しい自然環境を克服し、我々が住みやすい豊かな生活を享受できるようになったのです。一方、大量なエネルギーを生産、消費する時代ともなりました。
今日、局地的豪雨、渇水、北極圏でのオゾンホール出現などが身近な問題として、ニュースでも日々取り上げられています。我々が享受する豊かな生活が、地球環境に影響を及ぼす温暖化の大きな要因であることをIPCCが明らかにしました。世界人口は70億を超え、食料不足、水不足は今後一層深刻さを増して行くでしょう。技術革新、豊かな生活は先進国から人口の多い新興国にもおよび、更なるエネルギー消費の増大、そして温暖化の進行が危惧される所以です。
統計が示すようにエネルギー消費の削減は、既に産業界でいろいろな省エネ対策を実施され、世界に誇れる最も効率化した生産体制を築いています。一方、業務、家庭でのエネルギー消費は増加傾向にあります。無駄なエネルギー利用の抑制、省エネタイプの機器への更新、省エネ住宅などが我々ができる省エネ対策です。東京都の家庭での省エネをご参考ください。一人(1世帯)では小さくても、1.2億人(5千万世帯)になれば大変な数値となります。さんぜのドーナッツキャップは皆様のご理解があって、社会に貢献できます。
以上、エネルギー需要について述べましたが、他方のエネルギー供給側は、自然エネルギーの活用、実用化に期待します。使われていないエネルギーを未利用エネルギーと言いますが、日本では電力総供給量の1%程度です。①日本は水の豊かな国です。大小の河川、下水処理水の排水場所、上水道の給水所、農業用水路などで是非小水力、マイクロ水力発電の活用を期待します。②ごみ処理場、工場などの排熱利用発電。剪定枝、間伐材などのバイオマス発電。生ごみ等を利用するバイオガス発電。③日本は海に囲まれた島国です。海の波を利用した波力発電。④風力発電は、風力5M/秒以上の風の強い地域で有効です。⑤太陽光発電は、南向き30度の傾斜で最も発電効率が良くなります。年間日照量の多い地域に適しています。
これら自然エネルギーは発電出力が小さいこと、気候など不安定要素が大きいことから、蓄電池、スマートメータとの併用は欠かせませんが、有限な資源利用はなく、無限な自然の力を借りた、自然と調和できるエネルギーです。科学技術は日進月歩で進化しています。新しい優れた技術を生かすこと、日本の産業活性化にもなります。この機会に環境先進国として地球環境にやさしい自然エネルギーの実用化を推進してほしいと期待します。これまでの大量生産、一極集中方式のエネルギー供給から地域分散形のエネルギーの地産地消化へと転換することで、災害時のライフライン確保に大きく寄与できるものと思います。
11月28日、COP17が南アで始まりました。温暖化が地球環境により影響を与えないことを目的とした国連気候変動枠組条約締約国会議です。各国間の利害ではなく、地球環境により負担を少なくする方向性を見失わずに協力し、温暖化防止対策を世界レベルで進めることを決めてほしいものです。温室効果ガス排出が最も多い中国、米国が参加しないで現状のままだと、IPCCの最悪シナリオが現実になる恐れがあります。昨年のCO2排出は過去最高の伸びで、335億トンと米エネルギー省が発表しています。