謹賀新年 2014年をより良い年になりますように、…
新年あけましておめでとうございます。長い年末年始で、英気に満ち新しい一年に向けた意欲に溢れていることと存じます。
2013年は、アベノミクスによる景気回復・株価の上昇、2020年東京オリンピック開催が決まるなど、「輪」で一年を締めくられました。
昨年は、極端な気象が頻発したと感じる人が多いのではと思います。気象庁は30年に1回以下しか起きないまれな現象を「異常気象」と定義しています。IPCC第5次報告書が警告する「温暖化」の影響なのでしょうか。科学が進んだ21世紀、多くの科学者がコンピュータを駆使しても解明できていませんが、警告されたことが現実になるのは困ります。自分たちの環境を守るために、できることをできる時に行うことが大事だと思います。昨年の極端な気象を振り返ってみます。
年初、成人の日「爆弾低気圧」による関東地方での大雪に始まり、2月には青森県酢ヶ湯で566CMなど12か所で最深積雪日本記録を更新し北・東日本を中心に厳冬となりました。
7月、山口島根豪雨が発生し、山口市では1時間143mm、島根県津和野町では24時間の雨量が381mmを記録した。
夏は記録的な猛暑となり、高知県四万十市で40度以上が5日続き、41度と日本最高記録更新した。北陸や東北地方では例年の1.5~2倍の雨量を記録しアメダスによる1時間80ミリメートル以上の猛烈な雨が12回記録された。
9月も暑さが続くなか、上空に冷たい空気が入ると大気の状態が不安定になって「スーパーセル」と呼ぶ巨大積乱雲が発生し埼玉県・栃木県で竜巻を起こした。台風18号が通過した際には、10個もの竜巻が確認された。
夏から秋に熱い空気を送り込む高気圧が勢力をましたのは、インドネシアやフィリピン周辺などの高い海面水温が原因で、強い上昇気流で持ち上げられた空気がその北側で下降して高気圧を強めた。上昇気流は上空の偏西風の流れも変え、高気圧の勢力が広がりやすくなったという。海面水温が高かったのは異常気象の引き金として知られる「ラニーニャ」現象に近い状態が続いたことも関係している。
暖かい海は台風の発達を促す。今年は台風の「当たり年」で合計31個が発生、平年の25.6個を上回った。10月の26号は伊豆大島で24時間の降水量が800mmを超え、大規模な土砂災害をもたらした。11月にはフィリピンを史上最強クラスの「スーパー台風」が襲い、多数の死傷者を出した。
異常気象は海外でも多発。2月に米北東部を暴風雪が襲い、5月にはオクラホマ州を風速90メートル以上の強力な竜巻が駆け抜けた。12月にはテキサス州などで大雪、中東でも数十年ぶりの積雪を記録した。インドやパキスタンは夏以降、大雨被害が相次いだ。オーストラリアでは東部を中心に高温となった。
2014年も異常気象が多発するか。気象庁は昨冬に続き今冬も全国的に寒くなると予測している。温暖化が進んでいるはずなのに、なぜ暖冬続きにならないのか。北極の氷が融けると高緯度の気圧配置に影響を及ぼし、日本付近に寒気が流れやすくなるとの研究報告がある。
世界の平均気温の上昇が1990年代終わり以降鈍り、温暖化が一時的に中断したように見える「ハイエイタス」現象も注目される。広大な海の深層に、より多くの熱が吸収され気温の上昇が抑えられた可能性が高い。専門家の多くは近い将来、再び気温が上昇するとみている。(以上、日本経済新聞2013年12月30日朝刊記事から抜粋)
新年早々昨年の自然災害について、思い出したくないこともあるかと思いますが、我々が肌で直接感じる身近な現在起きている変化を直視する必要があると思います。最後にこのような自然災害が近年増えていて、その被害額も相当なものになっている、という記事をご参考までに以下紹介します。新年も寒波の到来でアメリカは大変なようです。このようにリスクが高まっている現状を認識し、リスクを少なくできるのなら、今からできる事を、できる時にはじめることが賢明だと思います。医学でも予防医学というのがありますが、我々が生きられる環境を守るための予防をはじめようではありませんか。今年一年が将来への大きな一歩を踏み出す契機になればと思います。2014年が良い一年になりますように、…
世界銀行は、自然災害に友立って世界全体で過去30年間に250万人超の命が失われ、3兆8千億ドル(380兆円)の経済的被害が生じたとする報告書をCOP19(第19回国連気候変動枠組条約締結国会議)で発表した。7割以上は台風や洪水などの気象災害によるもの。
報告書は、自然災害による人名や建物の損失、水資源の悪化、雇用喪失などを算定した保険会社や研究機関の報告を分析。世界の年間被害額は1980年代初頭に500億ドル前後だったが、その後増加傾向が続き、2010年以降は3年連続で1500億ドルを超えた。カリブ海諸国では1回のハリケーン被害で国内総生産(GDP)の半分近くが失われた例も。アフリカでは干ばつが長期化して大勢が飢饉に苦しむなど途上国への打撃が大きかった。(日本経済新聞2013年11月21日夕刊から抜粋)